パラオ共和国における「レプトスピラ症」のリスク増大と大雨・洪水の関連を環境DNAから実証

レプトスピラ症(注1)は熱帯・亜熱帯地域に多く見られる人獣共通感染症(注2)の一種です。日本国内では、亜熱帯の沖縄県で患者発生が多く(全国の届出数のおよそ半数が沖縄)、河川でのレジャーによる集団感染の報告もあります。世界的には、オセアニア、東南アジア、南米、アフリカ地域などで多く発生しています。原因細菌であるレプトスピラは主に哺乳類を宿主としており、クマネズミ、野ブタなどの動物の皮膚や粘膜から血流に入って、肺や腎臓などの標的臓器へと拡がります。腎臓に定着したレプトスピラは、増殖して尿と共に排出されて川や土壌を汚染し、新たな感染源となります(図1)。また、洪水などの水害に伴う発生も報告されています。

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