糖尿病治療薬による血液がん抑制効果の可能性 ~SGLT2阻害剤が超難治性の血液悪性腫瘍の増殖を抑える~

 今回、琉球大学第二内科の研究チームは、ATL 細胞株やATL患者検体においてSGLT2が高発現していることを新たに見いだしました。さらに、ATL細胞の代謝や増殖におけるSGLT2の役割の解明を試み、①ATL細胞株は高グルコース濃度の培養条件において細胞増殖が顕著に促進している、②ATL細胞株や患者由来ATL細胞に対して種々のSGLT2阻害薬を作用させると細胞内へのグルコースの取り込みが低下し、解糖系・ペントースリン酸回路の抑制に伴うATP産生量の低下、細胞内NADPHレベルの低下を招き、結果的にG1期に細胞増殖周期を留め、細胞増殖を抑制する、③SGLT2阻害剤による細胞増殖抑制効果は細胞自殺(アポトーシス)には関連しない、以上のことを明らかにしました。加えて、SGLT2遺伝子に対するRNA干渉によりSGLT2遺伝子の発現を抑制した細胞においてはSGLT2阻害剤を作用させてもグルコースの取り込み低下が観察されなかったことからも、ATL細胞の増殖においてSGLT2はグルコースの取り込みに寄与していることが裏付けられました。

 本研究の結果から、未だ決定的な治療法が確立していないATLのような超難治性の血液がんに対して、糖尿病治療薬を巧みに活用して、糖尿病とは直接の関係がないものの、進行の早い悪性細胞の増殖を遅らせるというユニークな治療法の樹立が期待できます。

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